2022/8/24
給排水管に係る専有部分と共用部分の一体的更新について
マンションにおける給排水管の更新について述べる。

管理組合が管理するのは、「共用部分」であり、「専有部分」の管理は各区分所有者(組合員)が行う必要があります。

しかしながら、給排水管については、例外を認めております。
国土交通省が公表しているマンション標準管理規約(単棟型)第21条第2項において、「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。」とし、管理組合が管理することを認めている。

但し、その取扱いについて、同条関係のコメントで「・・・配管の取替等に要する費用のうち、専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。」と記載されている。また、同コメントには、「共用部分の配管の取替と専有部分の配管の取替を同時に行うことにより、専有部分の配管の取替を単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられる。

その場合には、あらかじめ、
@長期修繕計画において専有部分の配管の取替について記載すること
Aその工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定すること
B先行して工事を行った区分所有者への補償の有無等についても十分留意すること

上記の3点が必要である。と規定されている。

このコメントのとおり、専有部分の工事費用を修繕積立金により拠出することは、原則外の取扱いとなるため、管理組合としては、この方針を示す前に組合員の合意形成を十分に図っておく必要がある。

なお、ガイドラインのコメントにおいて、「修繕積立金から専有部分の工事費用として拠出する場合には、その対象を共用部分と構造上一体となった部分及び共用部分の管理上影響を及ぼす部分(いわゆる「横引き配管」)にとどめ、これに連結された室内装備類は区分所有者の負担とすることが相当である」と記載されているので、注意する必要がある。
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